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2007年以降の、いわゆる団塊の世代の大量退職は私たちにとってチャンスとなります。ものづくり優良企業から、百戦錬磨のベテラン人材が大量に出てくるからです。この千載一遇のチャンスを生かすために、私たちはそれ以前より準備を進めてきました。

しかし、いかに百戦錬磨のベテラン人材とはいえ、そのまま放り出されてしまったのでは、ご自分の経験も能力も発揮することはできません。プラスアルファの何かが必要なのです。そこで、往々にして「自分の工場のことしかわからない」と言っているベテランをシニアものづくりインストラクターとして短期間の集中的な講義と実習により再生し、社内あるいは地域のものづくり人材育成を推進する師範役になっていただくために、私たちは東京大学にしかできないお手伝いをさせていただくことにしました。

私たちにできること。それは東京大学がこれまでに蓄積してきた豊富な研究成果を十分に利活用して、私たちが本業としている教育の場で生かすことだと考えました。しかし、いかに東京大学とはいえ、日本全国すみずみまで目配りしながらお手伝いできるほどのマンパワーがありません。そこで、私たちは、師範クラス養成のための少数精鋭の研鑽の場として、東京大学ものづくりインストラクター養成スクールを開講いたします。

カリキュラムは、大きく、座学(基礎編と指導手順編)と現場実習からなります。


基礎編
自分の工場では方言や「○○語」で済んでいたコミュニケーション、しかし他の工場や他社工場、異業種、そして若い人には通用しません。まずは徹底的なトレーニングで「ものづくりの標準語」、主要な概念定義を身につけましょう。きちんとした用語・概念の理解こそが、管理・改善方策の学問的な体系化の基礎であり、みなさんの豊富な経験を利用可能な知的資産へと体系化する基礎ともなるのです。

指導手順編
これらの概念や方策を、現場における具体的な診断・立案・指導に結びつけるための基本動作を身につける必要があります。そんな秘密を「定石」(後述)にして、工場実習などのトレーニング中はもちろん、養成スクール修了後もフォローアップに活用していただけます。



異業種チームによる工場実習
「ものづくり技術」とは、固有技術をつなぎ「設計情報の良い流れ」を作ること。それは固有技術の違いを超え、業種横断的に適用可能なものです。自動車、電機、化学等の異業種でチームを組み、今までに経験のない現場に入りましょう。観察とディスカッションを通じて現場改善提案をまとめ、実習先でプレゼンテーションを行います。養成スクールで学んだことの手ごたえを感じてください。

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