ものづくりインストラクターとは

新宅教授 東京大学ものづくり経営研究センター(MMRC)は、新しい時代のものづくり現場改善の指導者を養成する師範学校としての「東京大学ものづくりインストラクター養成スクール」を16年にわたって開講してまいりました。受講生の派遣元は、様々な業界の大企業から中小企業、あるいは地方自治体と多岐にわたっています。過去16期170名の修了生は「ものづくりインストラクター® 」として、派遣元のものづくり革新や後進の指導育成に 活躍されています。2010年以降は、修了生が校長となって本スクールをベースとした地域のものづくり改善インストラクタースクールが全国各地で立ち上がり、地域の中小・零細企業のものづくり能力向上に尽力しておられます。
 本スクールの教育内容は、「ものと情報の良い流れづくり」を基軸にして、ITやAIの活用、コロナ禍のものづくりといった新しいトピックも取り込んで進化させております。新しい時代のものづくりリーダーの育成をお考えの組織におかれましては、本スクールへの受講生派遣を御検討いただきたく、よろしくお願いいたします。

            東京大学大学院経済学研究科教授
             ものづくり経営研究センターセンター長    新宅純二郎

藤本教授 2020年代は、グローバル競争の激化、米中技術摩擦、デジタルトランスフォーメーション、大災害や感染症拡大の頻発、地球温暖化などSDGs制約条件の厳格化など、わが国企 業 やその国内外の現場にとって課題山積であります。しかしその中で、過去約30年間の厳しい大競争・大災害を乗り切ってきた日本の優良ものづくり現場は、まさにピンチはチャンス、の高い経験値に根差す現場競争力・災害復旧力・代替生産力・感染防御力の高さゆえに、各社のグローバル・サプライチェーンの中で「戦うマザー工場」としての存在感を高めつつあります。まさに、組織能力とICTの連携により、 国内外の現場力を鍛え直す必要性と可能性が、同時に高まっているのが2020年代だと言えます。
 「ものづくりインストラクター®」とは、固有技術に加え現場で培った「ものづくり技術」を有し、他産業でも改善指導ができる人材です。最大の供給源は現場のベテランであり、日本全体の生産性向上のためには、その人材市場は産業間でオープン化すべきと考えております。本スクールの教材はデジタル化・SDG/大競争・大災害時代の現実に合わせて年々進化しております 。
 なお、藤本は 2021年3月をもって 東京大学は定年退職し、現在は早稲田大学教授ですが、本スクールに関しては主任講師として引き続き参加いたしますので、私が行う講義の部分については、これまでと内容も量も全く変わりません。
 デジタル化、感染症、グローバル競争、国際摩擦の時代、現場のものづくり革新はいよいよ重要であり、企業や産業を超えて現場で「流れ改善」指導のできる 実践的な 教育人材はますます貴重です。 本スクールへの御参加をお勧めいたします。

            東京大学ものづくりインストラクター養成スクール 主任講師
                                   藤本 隆宏

「ものづくりインストラクター」は東京大学の登録商標です。

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