郡司 倫久
このような中で、本調査では、日本の製造業(特に生産機能)が、現在どのような課題を抱えているのか、ITを利用した情報の共有化やサプライチェーン全体の最適化のために生産機能はどのような役割を持つのかという問題意識のもとに、現在発生している課題やその対応などについて調査を行ったものである。
本調査は、IT技術がどのように運用されているのかということを主眼とするのではない。ITはあくまでもツールであり、それを効果的に推進するような仕組みが十分に整備されていないとこれらのツールも意味を持たなくなる。このような視
点から本調査では、ITを利用した様々なマネジメント手法(KMやSCM等)を効果的に推進するための組織的な対応、SCMの取り組み方についての組織としての必要条件(権限責任体制、業績評価、インセンティブ等)がどのように整備され、運用されているのかというところに焦点を当てている。
また、若干ではあるが、アメリカ製造業の現状や新たなトレンドである「コンタクト・マニュファクチャリング」、ERP、SCPの導入方法、活用方法等についても論じる。
報告者:郡司倫久(ぐんじ・みちひさ)氏
株式会社三菱総合研究所 経営コンサルティング部 研究員
《プロフィール》
1974年生まれ
1999年3月 東京大学大学院経済学研究科企業・市場専攻修了
1999年4月 株式会社 三菱総合研究所入社