戸田忠良

「即応力の経営  時間リスクを制するビジネスモデル」

本書の概要：
　「即応力を生み出すことがＩＴを企業経営に生かすポイント」というのが本書の主張。
　概要は次の通り。
 

• ＩＴ革命は「いかに早く使うか」ではなく「いかに適切に使いこなすか」が問題である
• ＩＴ活用のポイントは、「時間リスクを制するために、即応力を装備するために使う」が筆者の見解
• そのような即応力を経営に上手に生かしたのが「デルモデル」である
• ＳＣＭも時間リスクに対抗する即応力を生み出すための管理手法であり、「スループット最大化」がその根幹である
• 即応力が生み出す効果に、迅速な生産・配送能力は在庫を持つことと同等とする「仮想在庫」が考えられる。このことの本質は「情報と在庫が交換可能」であること
• 企業活動を情報の受発信プロセスの集合と考えると、２０世紀の「情報発信型」から、２１世紀は「情報受信型」へと転換すると思われる
• 情報受信型企業活動は、顧客ニーズを受信する「顧客接点企業」と顧客ニーズの部品を提供する「部品提供企業」の共存共栄関係で可能となる

　
報報告者：戸田忠良氏
　　　　株式会社戸田ソフトウェアオフィス 代表取締役
　　　　《プロフィール》
　　　　　1970年　東京大学工学部計数工学科卒業
　 　　　　　同年　住友銀行入行　主に第２次オンラインシステム開発に従事。
　　　　　1977年　同行退社。以後、２、３のソフトウェアハウスにてシステム開発に
　　　　　　　　　　ＳＥとして参画。
　　　　　1984年　株式会社戸田ソフトウェアオフィス設立。主要な業務は、システム・
　　　　　　　　　　コンサルティング、情報技術戦略の立案、開発プロジェクト推進アドバイス等。
　　　　　　　　　　ＳＥ教育では以下の講師を担当中。
　　　　　　　　　　（財）日本情報処理開発協会中央情報教育研究所「提案型設計動力修得コース」
　　　　《主な著書》
　　　　　『システム開発管理の実践的チェックポイント』共立出版　1988年
　　　　　『上級ＳＥになるための５０のポイント』共立出版　1989年
　　　　　『情報システム新時代』共立出版　1993年
　　　　　『知の闘いの時代』ダイヤモンド社　1995年
　　　　　『ソフトウェア部品革命』（共著）生産性出版　1996年