東京大学大学院経済学研究科 経営教育研究センター
経営教育研究センター 東大アウトリーチ企画:MERC丸の内院生ラウンジ
東大アウトリーチ企画:MERC丸の内院生ラウンジ
経営学研究最前線
若手研究者が中心となり、経営学に関するトピックを取り上げて紹介したうえで、関連するテーマについて、受講者同士でグループディスカッションを行っていただきます。
丸の内の地縁を活かして、受講者が職場で抱える課題に関して、新たな知見を周囲の受講者からも得られるかもしれません。
経営学研究最前線:これからの講演

「経営学研究最前線」はご好評の内に全講義を終了いたしました。ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。

経営学研究最前線
2016年7月7日(木) 19:00〜20:30
*終了しました*

稲水伸行
筑波大学ビジネスサイエンス系・准教授

講演テーマ: 経営パフォーマンスを高めるオフィスとは? - 「オフィス学」の知見より

概要:近年、オフィス移転に合わせて働き方改革や組織変革を行い、経営パフォーマンスを高めようという動きが盛んになってきています。AppleやGoogleのように、オフィスを効果的に用いて、タレント人材を採用・活用しようとする企業も多く出てきています。その一方で、「本当に効果があるのか」といった声もよく聞かれます。  実は、欧米のアカデミックな世界では、数十年前から、オフィスと働き方や経営成果の関係を探る研究が盛んに行われてきました。特にこの10年ほどで、革新的行動(innovative behavior)や創造性(creativity)とオフィスの関係が明らかになりつつあります。そこで日本においても「経営学×オフィス」の観点から研究を推進するため、「オフィス学」という産学連携プロジェクトを2014年に立ち上げ、活動を行ってきました。
本講義では、オフィスにまつわる欧米の研究・実務事情に、日本における「オフィス学」プロジェクトの研究成果を交え、経営パフォーマンスを高めるオフィスについて考えていきます。

略歴
1980年、広島県生まれ。2003年、東京大学経済学部卒業。2008年、東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。博士(経済学)(東京大学、2008年)。2008年〜 2010年、東京大学ものづくり経営研究センター特任研究員・特任助教 2010年〜、筑波大学ビジネスサイエンス系准教授

主要業績
・稲水伸行・牧島満(2016)「オープン化・メガフロア化したオフィスの満足感と認知限界による画一性」『組織科学』49(3), 近刊.
・稲水伸行(2014)『流動化する組織の意思決定:エージェント・ベース・アプローチ』東京大学出版会. (2015年度 第31回 組織学会高宮賞・著作部門)
・稲水伸行(2013)「ワークプレイスの多様性・柔軟性・統合性:日本マイクロソフト社の品川オフィスの事例」『組織科学』47(1), 4-14.

個人ページ
http://www.gssm.otsuka.tsukuba.ac.jp/master_professor/183.html


2016年7月14日(木) 19:00〜20:30
*終了しました*

中野剛治
東洋大学経営学部専任講師

講演テーマ:新規事業の開発方法を考える

概要:これまでの事業開発の議論では、新規事業の創出の際、製品やサービスについて概要と販売、マーケティング、組織、収益計画といった事業計画を作り込み、そのプランを元に資金調達等をはじめていくといったプロセスを辿ることが、MBA等の講義等で説明されていました。しかし近年、『ビジネスモデル・ジェネレーション』や『リーン・スタートアップ』に代表されるような新たなビジネスモデルの構築プロセスが提唱されています。そこで本講義では、従来型の事業開発プロセスとリーン・スタートアップに代表される新たなプロセスそれぞれの背後にある考え方を、近年の経営学における研究論文から読み解いていきます。

 

略歴
1977年生.
2002年 東京大学 経済学部 経済学科 卒業
2007年 東京大学 大学院経済学研究科 企業・市場専攻 博士課程 単位取得退学
現在 東洋大学経営学部専任講師

主要業績
高橋伸夫・中野剛治(編著) 『ライセンシング戦略―日本企業の知財ビジネス―』
Nakano, Koji & Nobuo Takahashi, "Licensing strategy of Japanese firms," in Yveline Lecler, Tetsuo Yoshimoto, & Takahiro Fujimoto eds., The Dynamics of Regional Innovation: Policy Challenges in Europe and Japan. World Scientific Publishing, Singapore, January 2012, pp.361-392.


2016年7月21日(木) 19:00〜20:30
*終了しました*

佐藤秀典 横浜国立大学 国際社会科学研究院 准教授

講演テーマ: 「ぶれない組織」の作り方

概要:顧客の好みの変化や技術の変化など、組織は様々な環境の変化に直面しています。そのため組織は柔軟性を持ち、変革を行うことが期待されています。
しかし、環境の変化に敏感になり変革を重視しようとするあまり、もともと持っていた自社の強みを見失ってはいないでしょうか。
そこで今回は、組織の一貫性について焦点を当ててみたいと思います。最近の経営学の研究成果をもとに、一貫性の源泉となる要因は何か、どのような時に一貫性が失われてしまうのかを考えます。それにより、変えるべきものと変えるべきではないものを見分けるための視点について考えていきたいと思います。

 

略歴
2010年3月 東京大学大学院経済学研究科博士課程企業・市場専攻単位取得退学
2010年4月〜2012年3月 東京大学ものづくり経営研究センター特任助教
2012年4月〜2014年3月 長崎大学経済学部准教授
2014年4月〜現在 横浜国立大学国際社会科学研究院准教授

主要業績
Sato, H. (2012). Routine-based view of organizational learning and mechanisms of myopia. Annals of Business Administrative Science, 11, 45-54.
佐藤秀典 (2013)「組織アイデンティティ論の発生と発展―「我々は何者であるか」を我々はどのように考えてきたのか」組織学会編『組織論レビューU』(pp.1-36). 白桃書房.
佐藤秀典 (2013)「ルーチン形成における管理者の認識とパワー-自動車販売現場における管理者の役割-」『組織科学』47(2), 47-58.


2016年7月28日(木) 19:00〜20:30
*終了しました*

福澤光啓 成蹊大学 経済学部 准教授

講演テーマ:現場力にもとづく着実な戦略構想のために

概要:日本企業は経営環境の変化に直面しつづけています。たとえば、日本の電機業界は高度成長期から1990年代前半にかけて高い国際競争力を獲得してきましたが、1990年代後半から2010年代にかけて景気変動や円高、新興国企業による低コスト攻勢などに直面し、業績不振に陥っている企業も見受けられます。このように厳しい経営環境のもとで、日本の生産現場は競争力を発揮し続けていくことができるのでしょうか?
これまでの国内外の研究成果を整理しつつ、日本企業を対象とした調査結果をご紹介しながら、企業や工場レベルでの戦略構想のありかたについて一緒に考えていきます。

 

略歴
2004年3月小樽商科大学商学部卒業、2009年3月東京大学大学院経済学研究科博士課程を単位取得退学、同年4月東京大学ものづくり経営研究センター特任助教、2011年4月より成蹊大学経済学部専任講師を経て、2014年より現職。

主要業績
福澤光啓 (2013)「ダイナミック・ケイパビリティ」, 組織学会編 『組織論レビューU』,pp.41-84, 白桃書房.
福澤光啓 (2013)「デジタル複合機:志向性の異なる複数機能の統合」, 藤本隆宏編 『「人工物」複雑化の時代:設計立国日本の産業競争力』, pp.281-308, 有斐閣.
福澤光啓, 稲水伸行, 鈴木信貴, 佐藤祐樹, 村田香織, 新宅純二郎, 藤本隆宏 (2012)「奔走するリーダー:環境変動に対する自動車組立職場の適応プロセス」『組織科学』46 (2), pp.75-94.

個人ページ
http://www.mfukuzawa-lab.net/


2016年8月4日(木) 19:00〜20:30
*終了しました*

大木清弘 東京大学大学院 経済学研究科 講師

講演テーマ:国際経営からみる日本企業の硬直性:なぜ企業は変わらないのか?

概要:変わらない日本企業、変化の遅い日本企業−近年こんな日本企業批判をよく聞きます。講義者が専門とする国際経営の分野でもそんな日本企業の姿が観察されます。「本社が集中的に権限を持つ」「日本の製品をそのまま海外に投入する」「海外で日本人がマネジメントの中枢を占める」といった日本企業の「本国中心主義」は1970年代から指摘され、1980年代から改めるべきと国内外の研究者から批判されてきました。しかしその後30年経った日本企業は未だに、「日本の技術を重視しすぎている」「日本人が中心で海外人材を上手く活用できていない」というように、同種の批判をされ続けています。日本企業が「変われる企業」になるためには、なぜ企業は変わらないのかを考えなければならないでしょう。
そこでこの講義では、日本企業の国際経営において変わらなかった「本国中心主義」について、なぜそのような状態になったのか、なぜそれが批判されるのかを経営学の主要研究から説明した上で、なぜそれが変わらなかったのかに関する筆者の研究や仮説を提示します。そのうえで、参加者自身の「企業の硬直性を感じた経験」を共有し、なぜ企業は変わらないのか、変えるためにはどうすればよいのかについて議論を行います。こうした議論を通じて、日本企業が「変われる企業」になるための一助となることを目指します。

 

略歴
東京大学経済学部卒業、同大学院経済学研究科修士課程、博士課程修了。関西大学商学部助教を経て現職。専門は国際経営、国際人的資源管理論。「強い海外子会社」を作り上げるためのマネジメントが大きな研究テーマである。近年は、「海外子会社への内部競争の圧力が海外子会社のパフォーマンスに与える影響に関する研究」「海外子会社への権限委譲とパフォーマンスに関する研究」「海外駐在員のあるべき姿に関する研究」「立地優位性が急激に変動する中でマネジメントに関する研究」を行っている。

主要業績
大木清弘 (2014)『多国籍企業の量産知識 : 海外子会社の能力構築と本国量産活動のダイナミクス』有斐閣.
中川功一, 林正, 多田和美, 大木清弘 (2015)『はじめての国際経営』有斐閣.
天野倫文, 新宅純二郎, 中川功一, 大木清弘 (2015)『新興国市場戦略論 : 拡大する中間層市場へ・日本企業の新戦略』有斐閣.

個人ページ
http://www.e.u-tokyo.ac.jp/fservice/faculty/oki/oki.j/oki01.j.html



copyright(c) the University of Tokyo